ムンド・デ・アレグリア学校

1月のオープン以来、久しぶりに「浜松市外国人学習支援センター」に行きました。毎日、いろんな研修を行っており、バリエーションも増えているようです。
また、視察の受入も徐々に増えており、浜松の特徴的施策として注目されているようです。今後の多文化共生拠点としての情報発信に期待します。

今日の訪問の主目的は、2階にある「ムンド デ アレグリア学校」。
手狭だった卸商団地の旧施設から、オープンと同時に移転して、この地で日系ペルー人と日系ブラジル人の子どもの教育活動を行っています。
元々、ペルー人学校としてスタートしたムンド校。
今日時点の児童生徒数は108人とのことでしたが、いただいた1月末の資料では、
ペルー人32人、ブラジル人67人の99人となっていました。
ちなみに、ペルーの教育制度は、小学校6年+中学校5年とのことで、ムンド校を卒業後、ペルーの大学には進学可能とのこと。
ペルー人の子どもが日本の大学に行くには、文部科学省の“準備課程教育”を1年受講する必要があるそうですが、実際に日本の大学に進学した子どももいるそうです(優秀!)。
ブラジルの教育制度上、学校に与えられた認可は小学校6年+中学校3年となっています。
現在、高校3年課程の認可を現在申請中ということで、こちらも充実を目指しています。

松本校長は、現施設を貸与した浜松市への感謝を述べていました。
これまでの息苦しいほどに狭かった施設から、十分な環境で勉強できるようになった子どもたちの顔を見るにつけ、「良かったね・・・」と声をかけたくなります。
通学範囲は、豊橋から掛川まで、相当広いようです。それだけのニーズがあるということの裏返しですね。
進学など子どもたちのキャリア開発について一生懸命取り組んでいる他にも、日本語教育の充実や、地域の小中学校との連携、中体連への加入など、学校として積極的に取り組んでいます。
同じ“浜松の子ども”として応援したいものです。

ただ、財政的には相当厳しいようです。
親の失業などで、他の外国人学校の児童生徒が著しく減少している中、100人規模を維持するのは大変なことです。
授業料が払えない家庭に対して授業料を免除するなど、子どものために学校経営を継続していますが、企業などからの寄付金などで、何とか維持しているとのこと。
先日も、ペルー関係組織から奨学金をいただいたり、篤志家からの寄附をいただいたりしたとのことでしたが、そうした支えなしには大変だそうです。
今後、「オープンキャンパス」などPRにつとめ、「みなさんに学校のことを知ってもらいたい」と話していましたが、日本人、日系人問わず、注目していただきたいと思います。

http://www.mundodealegria.org/

【レポーター 田口 章】